WEBときどき人事

渋谷のITベンチャーで働く元人事、現メディアのディレクションにいきる僕が日々学んだことをメモするお

採用担当に告ぐ。志望動機があるから内定が欲しいのではなく、内定が欲しいから志望動機を考えるのだ。

「もっと素敵なこと言って」

「君が大好きだよ、ミドリ」

「どれくらい好き?」

「春の熊くらい好きだよ」ノルウェイの森より

こんな事いって許されるのは春樹小説の主人公くらいだ

………

と思うだろう。

やれやれ。

全く同じことが今の時期どこかの会社の会議室にいれば目撃できる。

「弊社を志望する理由を教えて」

「貴社が大好きだよ、商社」

「なんで好き?」

「砂漠で水を売るような付加価値を水につけられるからだよ。」

面接という名のワタナベ君養成所である。

┃志望動機があるから内定が欲しいのではなく、内定が欲しいから志望動機を考えるのだ。

タイトルの通り、今回のエントリーでは企業人事へ言いたくても言えない学生の声を代弁してみたい。そしてこのクソ熱い中スーツに身を包まなければならない学生の体内温度が少しでも爽快になればいいと思う。

 

「いきなり志望動機書かせたり、聞いたりするのやめてまじで!志望しているんじゃなくて内定取るために志望しなきゃいけないから志望してるんだよ!」

 

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 ┃いきなり志望動機を聞く痛いやつ

読者の皆様にお馴染みの「ぼく愛」でも非常に重要なフレームワークになっているのがACSモデルである。非常に重要な理論であるので、このフレームワークを採用に落とし込んだものは今後執筆していく予定だがとても簡単に言うと、

Attract:興味を持ってもらう

Comfort Building:共感を得る

Sedduction:クロージングする

という各フェーズがありフェーズによって男性が取るべき戦略が異なるということだ。

cakes.mu

Aフェーズで志望動機を聞くのがどれだけ痛いことか男女の関係で考えれば誰でもわかるだろう。

合コンの場面を想像して欲しい。乾杯が終わり自己紹介タイムだ。

「はじめまして、僕は大手メーカーで経理財務を担当していて、趣味は読書とかですね。ところで君は僕のどこが好きなんですか?ちなみにBさんじゃなくて僕のほうが好きな理由を具体的に教えてくださいね!」

開始5分でノーゲームだろう。幹事が飲み放題にしていなかったことを祈る。

やれやれ。

ここで問いたいのは、この合コンの例のようにまだAフェーズなのに自分が好きな理由を聞く痛い男に、多くの企業がなっていないかということである。

殆どの就活生が、

「どこが好きとか聞かれてもまだ貴方のこと知らないよ…でもまあ面接だし適当に志望動機つくっておくか」

という状態なのにも関わらずである。

ただ、このトークをやっていい場合がたったひとつだけある。それは男が西嶋秀俊ばりにモテるときだ。

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「お前は俺のどこが好きなんだ?」

舐められるチュッパチャップスになりたい女子もたくさ…(ry 

これは上記でいうAttract、Comfortbuildingが既にクリアされている鉄板ゲームだ。ただ日本でこの企業ブランドがあるのは人気ランキングに選ばれる数社のみだと思われる。

まとめると、志望動機を聞くこと自体は悪ではない。聞くタイミングが問題なのだ。相手が温まって、自社のこと好きになったタイミングで「お前はなんで俺のこと好きになったの?」ならモテそうじゃないか。

「大企業はもちろん、中小企業でも自社のことをはじめから好きな人もいるじゃん。だったらいきなり志望動機聞いてしっかり言える人を合格にすればいいんじゃないの?」

ごもっともな意見ではある。

ただ、次節で詳しく述べるが、筆者は最初から本当に志望してくれている人を採用するべきだとは筆者は考えていない。

┃志望してくれている人を取るのか、優秀な学生を取るのか

前回のエントリーで採用の方程式を考察した。

kntskm.hatenablog.com

採用におけるヒットレシオ = 市場力 + 企業ブランド + 採用力

ここでES(エントリーシート)や一次面接で志望動機を問うても嫌な顔をしない学生は企業ブランドに惹かれてきている可能性が高い。それは市場の事もよくわからないし、採用力もまだ会っていないから学生は知る由もないので、その企業がモテる理由は企業ブランドということになる。

ここで企業ブランドに惹かれて入ってきてくれる学生が欲しいならば、この後は読み飛ばしてほしいのだが、筆者がこれまで見てきたような企業は、

今の企業ブランドに惹かれてくる人ではなく、これからの企業ブランドを創ってくれる人が欲しいはずなのだ

であるならば企業ブランドを好きな理由を最初から問うような「志望動機は何ですか?」というような質問は最初からするべきでないし、それをフィルタリング材料にするなんて以ての他だ。

今は志望していない(=今の企業ブランドには興味ない)が、優秀な子にいかに企業を好きになってもらうかが採用のポイントになってくるはずだ。決して自社が好きで好きでたまらない学生を取りたいわけではないだろう。

┃志望動機が大事というプロパガンダ

こちらの記事で藤沢氏はこう述べている。

藤沢 他には、モテる男っていうのは、別け隔てなく、すべての女に優しくする、とかも言うじゃないですか。
— はいはい、言いますね。
藤沢 あれ、単に、可愛い一部の女だけに行くんじゃなくて、社交辞令でもいいから、私にも優しくてしてよ、というのを遠回しに言っているだけなんですよ。
— ああ、なるほど。
藤沢 結局、女の人が発する男性向けの恋愛アドバイスなんて、いかに都合のいい男を作り出すかのプロパガンダでしかありません。

なぜ企業が志望動機に拘るのか、それは色々な理由が考えられるが藤沢氏の考察を借りるならば、その企業だけがオンリーワンじゃないよね、うちも志望してね。というのを遠回しに確認しているだけなのではないだろうか。

または、「なんとなく決まった内定」の理由を一生懸命探して「志望動機がしっかりしていたからだ!うちのセミナーにくれば志望動機の書き方教えてあげるよ!」みたいな就活をビジネスにしている企業のプロパガンダ作戦だろう。

┃就活の幻想を解きほぐす

今回のようなエントリーは黒ずくめの人たちを、まるで昼下がり重力に負けて芝生に寝転んでいる犬の尻尾を踏みつけるように刺激してしまう可能性がある。捉えられて下町のナポレオンと呼ばれる日もそう遠くはないかもしれない。

ただそのような圧力に負けることなく、常識を疑い「ぼくは採用を証明しよう」と思うのだ。