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WEBときどき人事

渋谷のITベンチャーで働く元人事、現メディアのディレクションにいきる僕が日々学んだことをメモするお

もしも村上春樹が意識の高い就活生で、就活レポを書いたら(説明会編)

 

「内定はお祈りの対極としてではなく、その一部として存在する。」

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 ***

その日、エレベーターは極めて傲慢な速度で上昇を続けていた。その「傲慢さ」という塊の中で僕は目的地である「3」のボタンを眺めながら三年前の九月十八日に三番目に寝た女の子のことを考えていた。

 

そして受付についた僕は今朝スターバックスで注文したコーヒーについて、なぜオリジナルブレンドにしてしまったのか、本当はコロンビアの酸味にナッツを合わせるべきでなかったのかと深く後悔をしていた。

「今日説明会参加の学生ですか?お名前は何ていうんですか?」隣に座っていた就活生の制服ともいえる黒いスーツを着させられた男子学生が僕に聞いてきた。

「名乗る程の名前じゃないよ。実際対した名前じゃないんだ。僕の名前になんの意味なんてない。生まれた街にだって3人はいた。」

「変わった人ですね。尖ってて面白いです!ところでこの企業のことってしっかり調べました?」これを尖っていると呼ぶのは、ハイロウズの「青春」の中で出てくる、つららだけだと思いながら僕は答えた。

「わからない。代わりに好きな小説の話ならできる。」僕はその質問を冷たくあしらった。なぜなら質問という皮をかぶった、自慢大会が繰り広げられることになるのを僕は知っていたのだ。

「ぼくは夏休みのプールのベンチで読む、恋人に捨てられ、気になる女性には見向きもされず、非モテな人生をおくる主人公のわたなべ君の成長が描かれているフジサワカズキの『ぼくは愛を証明しようと思う。』を出鱈目に開いて読むのがたまらなく好きなんだ。」

「やっぱり成長って大事ですよね!」おそらく音楽でいうならサビだけ聞くタイプの彼は「今日頑張りましょう」といって名刺を一枚置いていった。説明会で何を頑張るのか、いささか疑問ではあったが、それよりワンモアコーヒーで注文したコロンビアコーヒーに何味のスコーンを合わせるかを考えたかったのでぼくは会話を終わりにした。

 

「学生団体●●代表、将来起業予定、Instagramはこちら」

やれやれ。この時期になると全国の佐藤さんよりも多い数の学生団体の代表が世の中に生まれるらしい。また僕の知っている月が一つしかない世界とは名刺のルールが変わったのか、名刺には将来の予定まで書き込まれている。予定が名刺に書けるのであれば全てのサラリーマンの名刺にも「部長希望」「部長予定」とでも書き加えられることにしよう。

そして名刺に示された、日常をとらえた写真や動画をアートにして友達や家族と簡単にシェアできるサービスであるInstagramのアカウントを試しに覗いてみて、僕はたまらなく悲しくなった。

それは、代官山蔦屋書店とおぼしきところで撮影されており、ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則経営者の条件が写真の左に、写真の右にはコロンビアコーヒーがグランデサイズで写りこんでいた。簡単な加工によりドラッカーの本の赤表紙が際立っている。オシャンティー。

が、問題はそこではない。

その写真の鏡越しには、僕が人生で始めて寝た、綺麗な耳の形をしたレイコが写り込んでいたのだ。レイコが先ほどの学生とともに起業準備中なのを知ったとき、僕の中で何かが損なわれてしまったのだ。

 

説明会中、僕の頭の中はレイコのことで満たされていて、仮に世界がひっくり返るような情報であっても僕の耳には入ってこなかった。しかし、僕の周りの多くの学生は大リーグで人気のボブルヘッドのように、それぞれのタイミングで大きく頷いていた。なかでも、1人の女子学生(耳の形はあまり綺麗ではない)はサマーソニックフェスティバルの最前列でヘドバンをするかのように激しく深く、そしてビートに乗ったうなずきを繰り返していた。

僕はボブルヘッド人形に囲まれながら、レイコのことを忘れるために、明日の朝も定刻通りに送られてくるであろう朝刊のことや、カリフラワーを美味しく茹でる方法について考えていた。

 

説明会の後、簡単に行ったディスカッションで同じグループになった同じ就活生からFacebookで友達になることを提案された。何でもFacebookフレンドが3,000人くらいいて、経営者とも友達になっているらしい。就活生が集まるイベントも主催しているそうだし、何よりも顔立ちが左右対称の西洋人のようだった。胸にはモンブランによく似たボールペンが備えられている。

僕はうんざりした気分で煙草を吸いながらその提案を断った。

友達の中にもカテゴリーが分類されていて「いいね!を押し合うくらいの関係」というカテゴリーがあったとしても、僕はそういった関係にそれほど魅力を感じないタイプの人間なのだ。僕は飲みそこねたコロンビアコーヒーを飲むために足早にオフィスを後にした。

 

「あなたとても変わっているわね。さっきのディスカッション、今日考えていたことはカリフラワーの茹で方って何よ?」

帰りにエレベーターでビルの下に降りようとすると(エレベーターは行きよりも傲慢さを失っていた)先ほどのヘドバンの女子学生に声をかけられた。

「わからない。それはきっとあまり上手く喋れないことなんだ。」僕は持参したブランディーが入ったタンブラーに熱い缶コーヒーを入れて飲みながら答えた。

「あなたは企業の説明会を受けにここに来たのよね?企業に入るために?」

モノポリーをやるために来たわけではないよ。もちろん。それより君はヘドバンのように頷いていたから、君の首が心配だ。」

「ヘドバン?あなた頭おかしいんじゃないの?英語の仮定法がわかって、数列が理解できて、マルクスが読めて、なんでそんなことわかんないのよ?内定をとるために犠牲になっている私の首筋のことも考えてくれる?」

「つまり内定を取ること、それ自体が一つの目的だった。」「君のサラリーマンとしての資質は僕があと地球を一周回っても追いつきそうにない。自分がやりたいことをやるのではなく、やるべきことをやるのが紳士だ。」

 「わかるような気がする。」

彼女はそう言ったが、僕自身その本当の意味が理解できたのは、ずっと後になってからの事だった。

その晩、僕はカシューナッツをつまみにオンザロックを一通り飲んだ後、彼女と寝た。

 

朝起きると彼女は昨日の企業から「お会いしたい」とメールが入っていたからと再びユニホームに身を包み僕のもとからいなくなった。一方、ぼくのメールボックスに入っていたのはFacebookフレンドが3,000人いる彼からの就活支援セミナーの誘いだけだった。

 

ぼくはたまらなく濃いコーヒーを3杯いれて空を見上げた。

空には太陽が2つ浮かんでいた。

 

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***

意識の高いデブさんへのオマージュを込めて。

もしも村上春樹が意識の高いデブで、食レポを書いたら(焼肉編)

この本も相当おもしろい。

村上春樹いじり

 

内定が取れない原因と悲劇のヒロインを演じる君に送る武器

そう考えると僕はたまらなく哀しい。何故なら直子は僕のことを愛してさえいなかったからだ。(ノルウェイの森・ワタナベ)

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内定がまだもらえていない学生がノルウェイの森のワタナベ君のように悲劇のヒロインを演じたいのならば僕はとめはしない。

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

 

ただし語弊を恐れずに言えば就活というゲームに負けたからといって精神的にやられるとか命を断つような真似はしてほしくない。敢えてもう一度いうが、就活なんてゲームにすぎないのだ。多くの就活生はゲームのルールを知らないだけだ。

本コーナー「ぼくは採用を証明しようと思う。」はそんな悲劇を招かないためにも本当の採用活動を証明しようとしているのだ。

┃内定が取れない原因は学生の非モテコミットにある

内定を取れていない学生が、ノルウェイの森で直子を失ったワタナベくんよろしく悲劇のヒロインを演じて言いそうな考えそうなことといえばこんなところだろうか?

「僕が第一志望として考えていたあの企業は、ぼくのことを面接さえしてくれなかった。そう考えると僕はたまらなく悔しい。でもそれは企業と自分があっていなかったと考えて、もう忘れよう。直子、いやあの企業はもう戻ってこない。。よし、今日面接の企業では今の自分の気持ちをまっすぐぶつけよう!素直さも大事だしな。」

「僕は意中の企業に残念ながら落ちてしまいました。自分には会っていなかったっと考えて御社がもし内定をくれるなら死ぬ気で頑張ります!僕にはもう御社しか見えていません。どうぞよろしくお願いします!!!」 

なぜ競合が選考で落とした学生を自社で積極的に取りたいと思うのだろうか?
(文化的な側面があるからこの限りではないが多くの場合はそうだろう)

そもそもこの熱意とヒューマニズムだけで内定がとれるなら、誰でも好きな企業に入れる。

 

 

 

詳しくは下記2つのエントリーをご覧いただきたいのだが、内定が取れない原因の多くは学生の「非モテコミット」にある。簡単に言うと、内定がない学生が企業に好かれようと企業にひたすら迎合してしまうことのことだ。企業はこういう学生が好きなように振る舞っておいて、実は何よりも苦手なのである。

kntskm.hatenablog.com

kntskm.hatenablog.com

 ┃非モテコミットを脱出する強力なフレームワーク

肝心なのはその非モテコミットをどうやって脱出するかということだ。その考察にあたり今回も藤沢氏による恋愛工学の研究の一部を拝借する。

(※今週の金融日記で採用戦略を恋愛工学に応用したものを研究中と氏が仰っていたのでかなり楽しみだ)

女からのテストをクリアするためのベストの方法は、逆にこちらから女にテストを課してやることだ。僕には言い寄ってきている女がたくさんいて、その中で僕にふさわしい飛びきりいい女を選んでいるんだ、という強いフレームを心の中にセットする。フレームとは、物事を見るための枠組みで、人は無意識にフレームを使って、出来事の意味付けをするのだ。(中略)恋愛工学というのは、女に選ばれるためのテクノロジーではなく、むしろ、自分のことを、女が勝ち取らなければいけない価値の高い男だと思い込ませることにこそ、その真価がある。(ぼくは愛を証明しようと思う/chapter5-8)

ぼくは愛を証明しようと思う。 (幻冬舎単行本)

ぼくは愛を証明しようと思う。 (幻冬舎単行本)

 

※執筆時点でKindleが50%オフ!就活生のみなさんはぜひ。

これを読んだ就活生の読者のみなさんは、いますぐ上の引用文をコピペしてワードに貼り付け「Ctrl+H」だ。言葉は勿論、「女→企業」「恋愛→採用」だ。

企業からのテストをクリアするためのベストの方法は、逆にこちらから企業にテストを課してやることだ。僕には言い寄ってきている企業がたくさんいて、その中で僕にふさわしい飛びきりいい企業を選んでいるんだ、という強いフレームを心の中にセットする。フレームとは、物事を見るための枠組みで、人は無意識にフレームを使って、出来事の意味付けをするのだ。(中略)採用工学というのは、企業に選ばれるためのテクノロジーではなく、むしろ、自分のことを、企業が勝ち取らなければいけない価値の高い男だと思い込ませることにこそ、その真価がある。 

┃企業を選ぶフレームワークを授ける

気持ちの面のフレームワーク(メンタルセット)は「僕が企業を選んでいるんだ」というマインドセットである。これも十分にワークするが、内定がとれない(非モテコミットに陥っている)学生が気持ちだけ強く持てというのは少し無理があるだろう。だから僕は面接において価値ある学生であることを示せるようなフレームワークを用意しよう。

企業を選ぶ立場として企業を見極めるためのフレームワークだ。

①理念、ビジョンの方向性

会社:21世紀を代表する会社を創る(Cyber Agent)
社員:自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ(旧Recruit)
社会:Delight and Impact the World(DeNA
顧客:共有を広げ、世界をもっとオープンにし、人々の繋がりを強める。(Facebook

リクルートは以前は社員よりの理念(社訓)だったものの、リクルート事件以来、社会や顧客よりに変えていると聞きました。貴社の理念がなぜいまのように定められたのか出来れば教えていただけないですか?

ちなみに全てのフレームワークについて、中身はどれがいい悪いということではない。そこは自分次第であるし内定を巡るゲームにおいてはこのフレームを知っていることが大事なのだ。

事業内容(ビジネスモデル)

誰に、どんな価値を、どこと競合して提供しているのか。例えばマンションディベロッパーならこんな風に聞いて選んでみるといい。

ユーザーはどんな層なのでしょうか?ハイエンドですか?それともミドル層?その層だと●●社なども競合すると思うんですが、そことはどのように差別化していくんですか?(いかに良い土地を仕入れるかですね)なるほど、だとするとやはり融資などもしてもらいやすかったり、企業としても信頼されやすい御社のような大企業のほうがいいということですか?

※就活生にはレベルが高いと思うかもしれないが、これくらいならちょっと調べればわかるはずだ。企業研究とはこの辺を知ることなのだと思う。

③組織文化

ここは両極端のパターンをインストールしておけばいいと思う。
ちきりん氏の言う、摩擦回避の文化か、生産性重視かである。

d.hatena.ne.jp 

一般的に、外資系、特に米系の金融業やベンチャー企業では「少々摩擦が生じても、生産性を重視すべき」と考える人が多く、保守的な日本の大企業では「できる限り摩擦を避けるのが大人の作法」だと思われています。

この辺りを見て、自分は自分にふさわしい企業を探しているんですよというアルファ感を出したいなら、

外資系でインターンしたときにはかなり主張も強く摩擦が多い印象でした。逆に日本の大手銀行の時は摩擦を生まないのが良しとされていたと感じています。両社を両極端に+100、-100とするなら貴社はどの辺ですか?例えばどんな時にそう感じますか? 

 でいいのではないだろうか。

④企業の課題点

先ほど目標の部分を伺いましたが、逆に御社の課題となっているところはどこでしょうか?というのもせっかく企業に入るのであれば、自分自身そういう課題を解決していける存在になりたいと思っています。それが具体的な仕事のイメージにもつながっていきそうなので教えていただきたいです。

逆に非モテコミットを象徴するような質問や受け答え、行動はこのようなものだ。

求める人物像を教えてください(僕はマッチしていますか?)

自分のいいところと悪いところをフィードバックいただけませんか

御社の商品を昔からとても愛用していました

選考の結果はどれくらいできますか

説明会には5回ほど参加させてもらいました

巷の就活本には良い行動として書かれているものも多いのではないだろうか?

全て男女関係に置き換えればどれほど痛いかわかるだろう。

┃内定が取れる学生と取れない学生の違いは何か

繰り返すが内定が取れないのは、よく言われる相性、過去の経験、地頭など確かに色いろあるだろう。でも最も大事なのはコミュニケーションテクニックであり、振る舞い方だ。

相性が悪かったことばかりに逃げることもできない。
もしそうならこれだけ内定格差が出るのはおかしいと思わないだろうか?

過去の経験で決まるならば、ESに経験だけ借りて書いてみればいいし、面接で試しに1回全部でっち上げたエピソードで話をしてみたらいい。

要はその経験をしているからこそ出来るコミュニケーションや滲み出る振る舞い方が大事だということだ。

振る舞いについては本家恋愛工学で藤沢氏が詳しい論文を書いているので今後参考に本ブログでも扱っていく予定である。

 

 

 

採用担当に告ぐ。志望動機があるから内定が欲しいのではなく、内定が欲しいから志望動機を考えるのだ。

「もっと素敵なこと言って」

「君が大好きだよ、ミドリ」

「どれくらい好き?」

「春の熊くらい好きだよ」ノルウェイの森より

こんな事いって許されるのは春樹小説の主人公くらいだ

………

と思うだろう。

やれやれ。

全く同じことが今の時期どこかの会社の会議室にいれば目撃できる。

「弊社を志望する理由を教えて」

「貴社が大好きだよ、商社」

「なんで好き?」

「砂漠で水を売るような付加価値を水につけられるからだよ。」

面接という名のワタナベ君養成所である。

┃志望動機があるから内定が欲しいのではなく、内定が欲しいから志望動機を考えるのだ。

タイトルの通り、今回のエントリーでは企業人事へ言いたくても言えない学生の声を代弁してみたい。そしてこのクソ熱い中スーツに身を包まなければならない学生の体内温度が少しでも爽快になればいいと思う。

 

「いきなり志望動機書かせたり、聞いたりするのやめてまじで!志望しているんじゃなくて内定取るために志望しなきゃいけないから志望してるんだよ!」

 

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 ┃いきなり志望動機を聞く痛いやつ

読者の皆様にお馴染みの「ぼく愛」でも非常に重要なフレームワークになっているのがACSモデルである。非常に重要な理論であるので、このフレームワークを採用に落とし込んだものは今後執筆していく予定だがとても簡単に言うと、

Attract:興味を持ってもらう

Comfort Building:共感を得る

Sedduction:クロージングする

という各フェーズがありフェーズによって男性が取るべき戦略が異なるということだ。

cakes.mu

Aフェーズで志望動機を聞くのがどれだけ痛いことか男女の関係で考えれば誰でもわかるだろう。

合コンの場面を想像して欲しい。乾杯が終わり自己紹介タイムだ。

「はじめまして、僕は大手メーカーで経理財務を担当していて、趣味は読書とかですね。ところで君は僕のどこが好きなんですか?ちなみにBさんじゃなくて僕のほうが好きな理由を具体的に教えてくださいね!」

開始5分でノーゲームだろう。幹事が飲み放題にしていなかったことを祈る。

やれやれ。

ここで問いたいのは、この合コンの例のようにまだAフェーズなのに自分が好きな理由を聞く痛い男に、多くの企業がなっていないかということである。

殆どの就活生が、

「どこが好きとか聞かれてもまだ貴方のこと知らないよ…でもまあ面接だし適当に志望動機つくっておくか」

という状態なのにも関わらずである。

ただ、このトークをやっていい場合がたったひとつだけある。それは男が西嶋秀俊ばりにモテるときだ。

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「お前は俺のどこが好きなんだ?」

舐められるチュッパチャップスになりたい女子もたくさ…(ry 

これは上記でいうAttract、Comfortbuildingが既にクリアされている鉄板ゲームだ。ただ日本でこの企業ブランドがあるのは人気ランキングに選ばれる数社のみだと思われる。

まとめると、志望動機を聞くこと自体は悪ではない。聞くタイミングが問題なのだ。相手が温まって、自社のこと好きになったタイミングで「お前はなんで俺のこと好きになったの?」ならモテそうじゃないか。

「大企業はもちろん、中小企業でも自社のことをはじめから好きな人もいるじゃん。だったらいきなり志望動機聞いてしっかり言える人を合格にすればいいんじゃないの?」

ごもっともな意見ではある。

ただ、次節で詳しく述べるが、筆者は最初から本当に志望してくれている人を採用するべきだとは筆者は考えていない。

┃志望してくれている人を取るのか、優秀な学生を取るのか

前回のエントリーで採用の方程式を考察した。

kntskm.hatenablog.com

採用におけるヒットレシオ = 市場力 + 企業ブランド + 採用力

ここでES(エントリーシート)や一次面接で志望動機を問うても嫌な顔をしない学生は企業ブランドに惹かれてきている可能性が高い。それは市場の事もよくわからないし、採用力もまだ会っていないから学生は知る由もないので、その企業がモテる理由は企業ブランドということになる。

ここで企業ブランドに惹かれて入ってきてくれる学生が欲しいならば、この後は読み飛ばしてほしいのだが、筆者がこれまで見てきたような企業は、

今の企業ブランドに惹かれてくる人ではなく、これからの企業ブランドを創ってくれる人が欲しいはずなのだ

であるならば企業ブランドを好きな理由を最初から問うような「志望動機は何ですか?」というような質問は最初からするべきでないし、それをフィルタリング材料にするなんて以ての他だ。

今は志望していない(=今の企業ブランドには興味ない)が、優秀な子にいかに企業を好きになってもらうかが採用のポイントになってくるはずだ。決して自社が好きで好きでたまらない学生を取りたいわけではないだろう。

┃志望動機が大事というプロパガンダ

こちらの記事で藤沢氏はこう述べている。

藤沢 他には、モテる男っていうのは、別け隔てなく、すべての女に優しくする、とかも言うじゃないですか。
— はいはい、言いますね。
藤沢 あれ、単に、可愛い一部の女だけに行くんじゃなくて、社交辞令でもいいから、私にも優しくてしてよ、というのを遠回しに言っているだけなんですよ。
— ああ、なるほど。
藤沢 結局、女の人が発する男性向けの恋愛アドバイスなんて、いかに都合のいい男を作り出すかのプロパガンダでしかありません。

なぜ企業が志望動機に拘るのか、それは色々な理由が考えられるが藤沢氏の考察を借りるならば、その企業だけがオンリーワンじゃないよね、うちも志望してね。というのを遠回しに確認しているだけなのではないだろうか。

または、「なんとなく決まった内定」の理由を一生懸命探して「志望動機がしっかりしていたからだ!うちのセミナーにくれば志望動機の書き方教えてあげるよ!」みたいな就活をビジネスにしている企業のプロパガンダ作戦だろう。

┃就活の幻想を解きほぐす

今回のようなエントリーは黒ずくめの人たちを、まるで昼下がり重力に負けて芝生に寝転んでいる犬の尻尾を踏みつけるように刺激してしまう可能性がある。捉えられて下町のナポレオンと呼ばれる日もそう遠くはないかもしれない。

ただそのような圧力に負けることなく、常識を疑い「ぼくは採用を証明しよう」と思うのだ。

 

 

 

【寄稿】志望動機の作り方。なんて知らねぇよ、夏。

マイキャリアセンターウェブでの連載が開始しました。

mycareer-centerweb.jp

 

 以下、連載にあたり僕の考え方などをまずはインタビューしてもらいました。

┃学生が聞きたくても聞けないことを学生に代わって聞いてみたい

Q. まずはこの連載をしようと思ったきっかけを教えてください。

 いましかない、ってタイミングで代表の高嶌さんが話をもちかけてくれました。そもそも普通のメディアだと色々しがらみがあって、こんな企画やらせてくれないと思うんですけど、高嶌さんが自由に書いていいって言ってくれたのが大きかった。だからこそ、ここでしか読めないコンテンツになると思います。あとはタイミング。数年に渡り、就職活動ってなんだかなぁとか感じていたり、色んな企業の人事と日々情報交換という名の飲み会を重ねたりしていたのですが、なかなか真面目に意見を聞く場も言う場も少なかった。同じ人事同士だと言えるようで言えないこと、聞けるようで聞けないことって多いんですよね。ましてや人事からお金をもらっている採用支援会社もこういう企画はあまりやりたがらないはず笑。そんな中、丁度人事を離れたタイミングでしたし、これまで飲みで培ってきた人事友達がいっぱいいるので、その人達に直接話を聞いてみることで学生にもリアルな情報を提供できるいい機会だと。そして、これまで居酒屋に落としてきた費用を回収したいと思っています。

┃大きな支援会社ではできない厳選されたお薦め企業のみを掲載したい

Q. どんな企業へのインタビューを予定していますか?

 まずはこれまで会った企業の中で、この経営者・人事面白いなと思った会社や、このビジネス面白いなと思った企業に限定した企画にします。そしてその企業の人が推薦する企業に裾野を広げていきたい。ただ多くの企業を掲載して広告費を得るようなメディアではないですし、一定の目利きをした上で企業を紹介するというのも、この連載だからこそできる部分だと思っています。その中で、企業のビジョンを重視する学生や、事業を通じての成長、または企業の文化、人や福利厚生など、あたり前ですが人によって求める部分が違うと思うので幅広く企業のことをお伝えできればいいと思います。

┃志望動機がなんとなくってだめなこと??

Q.佐久間さん自身の就活時代はどんな感じだったんですか? 

 ミーハー就活生という会社があったら間違いなく代表取締役ですね。何となく総合商社に行きたくって、OB訪問で「商社とかカッコよさそうっす。」「どこが?」「えーっと、スーツケースとか持って出張いけるところです!」みたいなことを大真面目にやっていた。あとは大手不動産会社の「地図に名前が残る仕事」っていうキャッチコピーに惹かれたというだけで不動産業界をみていました。そこで新卒で入社したコスモスイニシアに出会ったんです。コスモスイニシアに惹かれたのは一回目の面接の時に当時の採用担当の人に「言葉が軽い」と言われた時ですね。大手の製薬会社から1社内定ももらっていたのですが、何となくしっくり来ていなかったのを、その人事の社員に見透かされたようで、反骨心からこの会社には落ちたくないと思うようになっていた。正直、ビジョンも事業内容も、安定性も人も別に深く考えていなくって「なんとなく」って言葉が一番しっくりきます。人間の意思決定を司る部分は言語処理できないなんてことも言われているように、必要なら後から言語化すればいいと思うんです。ここは僕の性格的な部分も多いと思うんで少し割り引いて読んでおいてください笑

┃その会社でしかできないこと=志望動機という幻想

Q.冒頭に就活ってなんだかなぁと仰っていましたが、そのあたりに疑問を感じているということですか?

 そうですね、今の部分でいうなら就活の本とかを見ると「A社じゃなきゃいけない理由を考えて、それを志望動機として語るべき!」とか書かれていますが、本当に社員がそう思っているかどうかA社の社員に「貴社にしかないものってなんですか?」って逆に聞いてみたい。個人も含めると400万社以上あると言われる企業の中で、本当にその企業にしかないものなんてあるのか?無理矢理作ればあるとしても、そこに本質的な価値があるのかは正直疑問です。志望動機ってそもそも必要かということもふまえて各社の人事と意見を交換するのも楽しみです。

┃限りなく企業のリアルにせまる

Q.最後に何かあればお願いします。

 このインタビューの隠れたテーマは本音。企業も僕も。美談ばっかり語られるメディアにはしたくないので、もっとこう人間臭い部分をなるべく伝えていきたいですね。例えば、若手の社員に登場してもらって「2年目ですが経営コンサルとしてお客様の事業課題と組織課題の向き合い、利益率の向上に貢献しています。」とかではなくって、「パワポやエクセルで資料作成をして先輩の手助けをしてるんですが、それにも一定のスキルや知識が必要。先輩やクライアントに叱られて悔しいですけど今に見てろと頑張ってます。」とか。勿論、その本音を語ることが企業のプラスにも繋がると思っていますし、学生にもより企業のリアルを見てもらえるんじゃないかって思っています。

学歴差別反対という不毛な主張。成功の鍵は市場の選択にある。

 ねえ知ってる?

ワタナベ もちろん。ボブ・ディランの「激しい雨」について語らせたら地球をぐるっと一周回っても僕より詳しい人はいないと思う。

 違うわよ。女性はイケメンが好きだってこと。 

ワタナベ え・・・?で、でも内面とか性格とか大事じゃん!

学歴差別!イケメン差別反対!

今日から就活が正式に解禁になったようだ。

そしてこの時期になると「A大学でエントリーすると説明会の空席があるのに、B大学だと満席で表示される!」とか「試しに同じ内容のESを違う大学名で書いたら通った!」とか夏のおわりに蝉が一生懸命自分の存在を証明するかのように、黒ずくめの男たちが声高に主張しはじめる。

ただその本質を男女の関係に当てはめて考えると、「イケメン差別反対!なんでイケメンがデートに誘うとOKなのに、俺が誘うと忙しくて空いてないって言われるんだ!」と苦情を申し立てていることと変わらない。面白いので誰かイケメン好きの女性に上記メッセージを送ってみてほしいくらいだ。

誤解のなきよう書いておくと筆者は学歴差別には反対であるし、イケメン差別にも猛反対である。

ただ次の2つの理由で学歴差別という主張ほど不毛なものはないということだ。

①特に大きい企業は学歴差別をしたいのではなくするしかない

学歴差別反対といくら叫んでも何も変わらない。

 

┃①シグナリング効果としての学歴

これは自明だと思うので長々と説明しないが、書類選考がある大企業で数万人の学生がエントリーしてくれたとしよう。学歴が書類上では一番わかりやすい自身の価値なのだ。銀行だって融資の条件に所属企業を見るし、出会い系のサイトだって年収や職業を書かせる。出会い系サイトの「自分は優しい性格です。」という男性と「職業:医者」というキーワードの男性がいたら間違いなく後者のほうが人気なのと一緒だ。(詳しくは後述)

このあたりは就活生からお金をとって資本市場使えばOKじゃね?そんじゃーね!

というミラクル解決法をちきりん氏が提唱してくれている。

d.hatena.ne.jp

┃②就活市場の中心で学歴差別を叫ぶこと

大人の世界で良く言われることだが、自分と未来と行動は変えられる。でも他人と過去と思考・感情は変えられない。学歴差別があるという事実は残念ながら変えられないほうに位置する。どうしても学歴差別反対を語りたいなら、Barにでもいってビートルズノルウェイの森を聞きながら「僕は学歴差別にひどく混乱している」とウォッカでも飲みながら言ってみるといい。 ミドリみたいな女子に怒られないことを祈る。

あなた頭おかしいんじゃないの?英語の仮定法がわかって、数列が理解できて、マルクスが読めて、なんでそんなことわかんないのよ?なんでそんなこと言うのよ?あなたより彼の方が学歴が高いから通ったにきまってるでしょ。 

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

 

┃成功の鍵は就活におけるマーケット感覚にある

ミドリに怒られたくもないし、内定もほしい。ではどうすればいいのか?それは就活におけるマーケット感覚を身につけて自分に適切な戦略をとることである。就活生にはぜひ読んでほしいちきりん氏の書籍を一部引用させてもらう。

婚活というマーケットで2人の男性がどのような戦略をとるべきかが下記のとおり伸べられている。

Aさん
・高卒
・年収200万
・イケメン
・コミュニケーションが得意

 Bさん
・有名大学卒
・年収1,000万
・マジメ
・口べた

2人はどのように戦えば婚活市場で勝利のハイタッチ!ができるのだろうか。

適切な市場は下記の通りまとめられるだろう。

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1点注目したいのが、出会い系サービス市場である。

サービス上、男性は年収などを入力する欄があり、女性は否が応でもその年収が気になるものである。また出会ってもいないので、その男性のわかりやすい価値のシグナルが職業や年収しかないのである。

これが就活における「学歴」と同じ役割を果たすものなのだ。

┃就活生ごとの最適なマーケット選択

実はここが本題だ。このブログは本題にいくまでに時間がかかり読み手も書き手も消耗をする。変な比喩とかをやめればTwitterでも完結してしまうかもしれないが趣味なのでお付き合いいただきたい。

同じように下記のような2人の就活生がいるとする。

 Aさん
・一般的な私立大学卒
・コミュニケーションは得意
・論理的思考力は高くない
・アイドルのおっかけが好き 

Bさん
東京大学
・コミュニケーションは苦手
・論理的思考力高い
・特に際立ったエピソード、経験はなし

AさんがここですべきはBarで学歴差別反対!と主張することでもなければ、Bさんになりすまして説明会に予約できることを証明してドヤ顔をすることでもなんでもない。

AさんとBさんの最適なマーケット選びを下記の通りまとめてみた。

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Aさんが取るべき優先戦略は下記の2つである。

①フィルターが高くないサマーインターンから、その会社でアルバイトでもしてしっかりと仕事ができることを証明するか

②実際に企業の人事や経営者と直接会えるイベントなどでコミュニケーションを測ったり、そこで行われるグループワークなどで目につくようなパフォーマンスをあげる

②のように接点を持てるイベントは今やリクナビなどを使わなくとも色々な就活支援会社が提供してくれている。

その中でもおすすめなのは

クライアント企業が次々にIPOをするなど企業の目利きに定評があるスローガン社が運営するGoodfindや、VOYAGEのグループ会社が運営、交通費とピザとビールが支給されるサポーターズなどがある。

※1  記事広告ではないのでPR表記はつけないが、もしスローガンやサポーターズの方が見ていたらビールでも奢っていただけると嬉しい。

www.goodfind.jp

supporterz.jp

いやいやでもベンチャー企業とは接点もてるかもしれないけど、結局そういうところに出てこない大手企業は学歴ないと入れないということじゃないか!

半分正解で半分不正解だ。

正解の部分でいうと、上述したように多くの学生が有名企業を受けすぎているので企業としては学歴をフィルターにするしかないのだ。学歴に関係なく優秀な人が欲しくてもそうせざるを得ないのだ。 

不正解の部分は前のエントリーを見ていただきたいが、内定をもっている学生を企業は好きなのだ。それを逆手にとれば早くどこかから内定を獲得しESの志望動機に「1社内定をもらっているベンチャー企業があります。そこは貴社の10年前を見ているようで、そこに入って貴社のような企業を創るか、貴社に入って豊富な経営リソースを活かしてさらに大きなトライをするかで正直迷っています。」とでも書けば読んでもらえさえすれば通過する確率は高い。 

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まとめるならば企業において有名大学の学生よりも一般大学の学生のほうが仕事ができる、なんて事例は枚挙に暇がない。

企業が欲しいのは高学歴な人ではなく、会社でパフォーマンスを発揮してくれる人だ。

ただその学生と出会う機会がどうしても限られてしまうというのが実状だ。

なので就活生がすべきは、自身の就活マーケットの価値を見定めて適切なフィールドで戦うことなのだ。(わかりやすいように学歴としたが有名大学の学生でも抜きんでたものがないならばAさんの戦略をおすすめする。)

サマーインターンはやるべきとか、早くから動いたほうがいいとか、あのサービスいいらしいとか就活生内で情報交換が行われると思うが、自身のマーケットにおける価値によって何が良くて何が悪いかは決まってくるということだ。

最後に繰り返しておくが筆者は学歴差別には反対であるしイケメン差別にも猛反対である。